ロボットの動作不良事例と原因一覧

ロボットの導入が進む飲食店や介護施設、オフィスにおいて、現場では「ロボットが動かない」「途中で止まった」「誤作動した」といったトラブルが後を絶ちません。本記事では、配膳ロボット・清掃ロボット・介護ロボットそれぞれにおけるよくある動作不良の症状と原因を、具体的な事例とともに解説します。

配膳ロボットによくある動作不良とその原因

主な症状と具体例

症状 内容
電源が入らない 背面スイッチがOFFのまま、またはバッテリー切れで起動不可。
途中停止 狭い通路で立ち往生、バッテリー切れで急停止。
指示に反応しない 非常停止ボタンの押下や、マップデータの不整合が原因。
動作が遅い・ぎこちない 積載オーバーやバッテリー残量低下による出力不足。
誤作動・不安定な挙動 センサーの誤検知、光の反射や地図ズレが原因で旋回を繰り返すなど。

原因別の分類

分類 主な要因
ハードウェア要因 バッテリー劣化、スイッチ・センサー・モーターの故障。
ソフトウェア要因 地図データ不一致、経路計画バグ、センサー解析ロジックの不良。
運用環境要因 狭隘通路、照明の直射、滑りやすい床材など。
ユーザー操作ミス 電源の入れ忘れ、非常停止ボタンの誤操作、乱暴な取り扱い。

清掃ロボットによくある動作不良とその原因

主な症状と具体例

症状 内容
電源が入らない/動作開始しない 主電源オフやバッテリー切れ、ダストボックス満杯など。
途中停止 コード類・段差・異物の巻き込みで停止。
エラーメッセージで停止 バンパーや車輪異常の検知で動作中断。
吸引力・速度の低下 フィルター詰まりやバッテリー劣化による性能低下。
誤作動・奇妙な動き センサー汚れ、マッピング不良によるルート逸脱。

原因別の分類

要因分類 内容
ハードウェア要因 バッテリー・センサー・吸引部・車輪の不具合。
ソフトウェア要因 マッピング失敗、アルゴリズムのバグ。
運用環境要因 段差・コード類・異素材床などの障害物。
ユーザー操作ミス 充電忘れ、清掃モード設定ミス、清掃前準備の不備。

介護ロボットによくある動作不良とその原因

主な症状と具体例

症状 内容
電源が入らない/起動しない 電源ケーブル抜けやバッテリー切れ、配線断線など。
動作途中で停止 センサー異常による安全停止。
命令に反応しない 通信エラー、装着不良、生体信号検出不能など。
動作が遅い・出力不足 センサー設定ミス、バッテリー残量低下、装着ミス。
誤作動・誤報 センサー感度異常、環境ノイズ、構造のゆがみ等。

原因別の分類

要因分類 内容
ハードウェア要因 モーター・アクチュエータ・センサーの故障、断線。
ソフトウェア要因 設定ミス、閾値の誤設定、ファームウェア不具合。
運用環境要因 ベッドマットの材質、電磁波干渉、ネットワーク不安定。
ユーザー操作ミス 電源忘れ、装着ミス、誤操作による設定不良。

トラブル防止のために必要なこと

定期的なメンテナンス

ロボットの安定稼働には、日常的な点検とメンテナンスが不可欠です。放置すれば小さな不具合が重大な故障に発展する恐れもあります。

  • バッテリーの状態確認:充電回数の上限や劣化の兆候(稼働時間の短縮・起動の遅れなど)を定期的にチェックしましょう。
  • センサー・ブラシの清掃と点検:埃・指紋・異物が付着すると誤検知や機構不良の原因になります。特に清掃ロボットではブラシや吸入口の詰まりを毎回確認しましょう。
  • ソフトウェアアップデートの確認:ファームウェアや制御ソフトは随時更新されます。不具合修正や機能向上のため、メーカーの情報をチェックし最新版を適用してください。

正しい設置と運用環境の整備

ロボットの性能を活かすには、設置環境そのものが安全で適切であることが大前提です。

  • 通路幅や障害物の点検:配膳ロボットや清掃ロボットが通る経路には、十分な幅を確保し、段差やコードなどの障害物を撤去しておきましょう。
  • 照明や反射物の配慮:センサー誤作動の原因となる強い直射光やガラス反射は避ける設計を。店内の照明変更時は必ずロボットの動作確認を行うこと。
  • 通信環境の安定化:Wi-Fi連携機種では、通信の不安定さが原因で指示遅延や応答停止につながるケースがあります。中継機の設置や回線速度の確認を含め、通信品質を保つ工夫が重要です。

操作教育とマニュアル整備

ロボットの不調は人為的ミスによるものも多く、教育と運用ルールの整備が鍵となります。

  • 導入初期の現場研修:現場スタッフに対する基本操作・トラブル対応研修は必須です。とくに非常停止ボタンや緊急時対応、装着手順などは繰り返しの訓練が求められます。
  • ヒューマンエラー防止のチェックリスト:業務開始前の「電源オン・充電確認・通路確認・センサー清掃」などをルーチン化したチェックリストを導入することで、ヒューマンエラーを大幅に削減できます。
  • マニュアルの見直しと現場共有:FAQやエラーコードの一覧、トラブル時の問い合わせ先などを網羅したマニュアルを常に最新版に保ち、現場で即座に参照できるようにしましょう。

動作不良は「複合要因」で起きる

ロボットのトラブルは、単一の原因ではなくが複雑に絡み合って発生することがほとんどです。定期点検・教育・環境整備によって、こうした問題の多くは予防できます。現場の安全と効率のため、メーカーが示す運用ガイドラインを遵守することが何より重要です。

なお、当サイトではサービスロボットの用途別におすすめの保守会社を紹介しています。ぜひ併せて保守会社選びの参考にしてください。

用途別に選ぶ
ロボット保守会社3選をみる

ロボットの用途別に選ぶ
おすすめ保守会社3選
業務用清掃ロボット
なら
グリットアーツ
グリットアーツ公式HP
引用元:グリットアーツ公式HP
(https://gritarts.co.jp/solution/maintenance/robot)
おすすめする理由
  • 複数の清掃ロボットメーカーから認定された唯一の保守パートナー(※)として高度なスキルと知識を有し、現場での修理も的確に対応可能
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案内・広告ロボット
なら
JBサービス
JBサービス公式HP
引用元:JBサービス公式HP
(https://www.jbsvc.co.jp/products/non-it/service_robot/maintenance.html)
おすすめする理由
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  • 顧客との対話の回答精度や反応速度を維持する定期点検によって、利用者との円滑なコミュニケーションをサポートできる
配膳ロボット
なら
DFA Robotics
DFA Robotics公式HP
引用元:DFA Robotics公式HP
(https://dfarobotics.com/)
おすすめする理由
  • 3,500台以上(※2)もの配膳ロボット導入実績をもとに店舗の環境やレイアウトを詳しく調査し、お客様やスタッフと接触しないよう調整
  • 訪問修理・部品交換だけでなく、オペレーションの効果まで分析。 店舗の経営改善までサポートできる

※2024年8月8日にGoogle検索で「ロボット保守」と検索した際に表示されるサービスロボット保守会社の中で、唯一。BIB Robotics Japan社のスマート清掃ロボット「J40」及びIDRIVERPLUS社の無人運転清掃ロボット「VIGGO」の認定運用パートナーとして保守サービスを提供。
※2:参照元:DFA Robotics公式HP(https://dfarobotics.com/topics/xsp--g9xq/)、2021年11月~2024年9月時点

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