AMR保守委託サービスとは?

AMR保守の重要性

AMRは高精度なセンサーやSLAM(自己位置推定)技術を駆使して自律走行を実現していますが、これらの機器が故障すると生産ライン全体が停止し、計画外ダウンタイムが1時間あたり数十万円規模の損失を招くことがあります。 IoTセンサーによる稼働状態のリアルタイム監視と、AIを活用した予知保全を組み合わせることで、故障の予兆を事前に察知し、最適なタイミングで計画的に保守作業を実施できます。これによりダウンタイムを大幅に削減し、生産性向上とコスト最適化を両立できる点がAMR保守の最大の重要性です。

内製保守と委託保守の比較

内製保守では、自社のエンジニアが機器の特性や現場環境を深く理解した上で柔軟に対応できる半面、技術者育成や専門ツールの導入、24時間365日の体制構築には多大な投資と管理負担が伴なってしまいます。

一方、委託保守は専門ベンダーが全国拠点からオンサイト対応やセンドバック修理まで幅広くカバーし、SLAに基づく迅速な初動対応と品質保証を受けられるのが強み。年間保守費用は製品価格の5~15%程度が相場とされるため、長期的に見ると費用負担が重くなることや、特定ベンダーへのロックインリスクを考慮する必要があります。

AMR保守委託サービスの内容

日常点検・定期点検

日常点検ではオペレーターが稼働前後に目視や操作ログを確認し、バッテリー残量やセンサーの汚れ、パラメータの異常値をチェックします。

定期点検では専門技術者が数か月に一度、内部コンポーネントの締結状態や劣化状況、ファームウェア更新の必要性を詳細に診断し、不具合の芽を未然に摘むことで、長期的な安定稼働を支えます。

これらの点検メニューは保守委託契約に含まれる基本サービスとして広く提供されています。

故障対応(オンサイト・センドバック)

故障対応には現地訪問によるオンサイト保守と、機器を拠点に送付して修理するセンドバック保守の二形態があります。

オンサイト保守は即日~翌営業日の初動対応が可能で、現場特有の環境条件に応じた細やかな修理・調整を実施できる一方で、訪問コストが高くなるケースがあります。

センドバック保守はユーザー自身が故障機器を送付し、修理または交換された製品を受け取る形式で、費用負担を抑えつつも3~10営業日程度の修理期間が必要です。いずれも保証期間内であれば無償対応となる場合が多く、契約時に初動対応時間や送料負担の条件を確認しましょう。

部品交換・消耗品管理

保守委託契約には、摩耗部品や消耗品の定期交換も含まれることが一般的です。キャスターやバッテリー、フィルター類など現場で劣化しやすいパーツをベンダー側が一括管理し、交換時期になると自動的に手配・交換を行うことで、ユーザーは交換忘れのリスクを軽減できます。

部品の在庫状況や手配リードタイムはベンダーによって異なるため、契約前に主要部品の交換サイクルや在庫拠点、追加オプション費用の有無を確認しておくことが安心です。

リモートサポート体制(コールセンター・チャットツール等)

多くの保守ベンダーは、電話やメールに加えてLINEやチャットツールを活用したリモートサポートを提供しています。24時間365日対応のコールセンター窓口を設置し、トラブル発生時に遠隔でログ解析や操作指示を行い、軽微な不具合は現地に技術者を派遣せずにその場で解決できるケースもあります。

SLA(応答時間・対応範囲)

SLA(Service Level Agreement)では、初動対応時間や復旧までの時間、年間稼働率保証などが明文化されます。たとえば応答時間30分以内、現地訪問は2時間以内、年間稼働率99.9%以上を保証し、これを下回った場合は月額保守料の一部返金や無償延長対応を受けられる契約が多く見られます。

計画保守は保証対象外とされる場合が多いため、除外範囲を契約書で明確にしておくことがトラブル防止に役立ちます。

保守委託先選定のポイント

認定パートナー・対応メーカー数

保守ベンダー選定では、複数メーカーのAMRに対応できる認定パートナー資格の有無が重要です。主要メーカーの認定を受けた技術者が在籍しているか、SLAMやLiDARなど搭載技術の違いに対しても対応実績があるかを確認しましょう。

サポート拠点数と対応エリア

全国規模での拠点網が整備されているかどうかは、オンサイト対応のスピードに直結します。拠点が限定的だと対応地域外での初動が遅れることがあるため、自社拠点からの距離と平均出張時間も選定基準に含めると安心です。

品質保証(ISO認証など)

ISO9001やISO27001の認証取得状況、さらにAMR安全規格の「ISO 10218-1:2025」「ISO 10218-2:2025」に準拠しているかも確認ポイントです。最新の安全規格改訂ではサイバーセキュリティ要件が強化されており、セキュアな保守体制を維持できるベンダーを選ぶことが推奨されます([ubiquitous-ai.com][9])。

サービスメニューの柔軟性

保守スコープやオプションの内容、点検周期のカスタマイズ可否、予知保全ツールの組み込みなど、自社の稼働状況や運用スタイルに合わせた柔軟なサービス設計ができるかを確認しましょう。

コールセンター・多言語対応

海外拠点や外国籍スタッフを抱える場合、24時間多言語でのリモートサポート体制があるかも重要です。英語はもちろん、中国語やタイ語など、必要に応じた言語対応可否を事前に確認してください。

なお、当サイトではサービスロボットの用途別におすすめの保守会社を紹介しています。ぜひ併せて保守会社選びの参考にしてください。

用途別に選ぶ
ロボット保守会社3選をみる

ロボットの用途別に選ぶ
おすすめ保守会社3選
業務用清掃ロボット
なら
グリットアーツ
グリットアーツ公式HP
引用元:グリットアーツ公式HP
(https://gritarts.co.jp/solution/maintenance/robot)
おすすめする理由
  • 複数の清掃ロボットメーカーから認定された唯一の保守パートナー(※)として高度なスキルと知識を有し、現場での修理も的確に対応可能
  • 24時間365日現場駆けつけ可能な体制により、夜間・休日の稼働が多い清掃ロボットの保守も迅速に対応
案内・広告ロボット
なら
JBサービス
JBサービス公式HP
引用元:JBサービス公式HP
(https://www.jbsvc.co.jp/products/non-it/service_robot/maintenance.html)
おすすめする理由
  • 案内・広告ロボットで起きやすいソフトウエアのバグなどシステム側の不具合を、経験豊富な現役エンジニアが揃うコールセンターが受付け迅速な解決に導く
  • 顧客との対話の回答精度や反応速度を維持する定期点検によって、利用者との円滑なコミュニケーションをサポートできる
配膳ロボット
なら
DFA Robotics
DFA Robotics公式HP
引用元:DFA Robotics公式HP
(https://dfarobotics.com/)
おすすめする理由
  • 3,500台以上(※2)もの配膳ロボット導入実績をもとに店舗の環境やレイアウトを詳しく調査し、お客様やスタッフと接触しないよう調整
  • 訪問修理・部品交換だけでなく、オペレーションの効果まで分析。 店舗の経営改善までサポートできる

※2024年8月8日にGoogle検索で「ロボット保守」と検索した際に表示されるサービスロボット保守会社の中で、唯一。BIB Robotics Japan社のスマート清掃ロボット「J40」及びIDRIVERPLUS社の無人運転清掃ロボット「VIGGO」の認定運用パートナーとして保守サービスを提供。
※2:参照元:DFA Robotics公式HP(https://dfarobotics.com/topics/xsp--g9xq/)、2021年11月~2024年9月時点

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